理想実現のための代謝促進25 腸内環境のためのエネルギー代謝

腸内環境を整えることは便通をよくするだけでなく、腸が関わっている免疫や神経伝達の向上など、さまざまな健康効果があげられています。腸内環境に関わっているのは腸内細菌ですが、エネルギー代謝との関わりは、あまり知られていません。

エネルギー代謝は全身の細胞で起こっていることで、腸内細菌は体内にあるものであっても、元々は体内にはいなかったものです。母親の胎内にいた胎児の段階では腸内には腸内細菌は存在していません。出産後に母親の腸内細菌や周囲の細菌などが入り込んで、その子どもの腸内細菌となります。

腸内細菌は善玉菌、悪玉菌、日和見菌に大きく分けられています。日和見菌は環境によって善玉菌の働きもすれば悪玉菌の働きもする日和見(周囲の状況を見て有意なほうに味方する)な存在となっています。

腸内細菌は温度によって活動のしやすさが違っています。善玉菌は温かな環境で増殖します。悪玉菌は温度に関係なく増殖します。腸内が冷えていると悪玉菌が増殖します。腸内が温かいと善玉菌も悪玉菌も増えていくものの、善玉菌のほうが増えやすくなっています。

腸内細菌は総数がほぼ決まっているので、善玉菌が増えると悪玉菌が減って、さらに日和見が善玉菌の見方をするようになるため、腸内環境がよくなっていきます。

全身の細胞で作り出されているエネルギーのうち半分ほどは熱エネルギーになっています。細胞で作り出されるエネルギーが多くなるほど細胞の温度が高まり、血液温度が高まります。血液は腸に多く送られているので、腸内の温度が高まります。このような仕組みがあるので、エネルギー代謝が盛んで、体温が高まりやすい人は、腸内も温まって、善玉菌が増えていくようになるということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕