ニンニクは中央アジア原産のユリ科ネギ属の香味野菜で、球状の茎部が食用となっています。サプリメント成分としてはガーリックとも呼ばれています。ニンニクには特有の臭いがありますが、これはネギ属に特有のアリインが酵素のアリナーゼによって臭気のもとのアリシンに変化しているからです。塊のニンニクは臭いが少ないのに、刻むと臭いが際立ってきます。塊の状態ではアリインとアリナーゼは別の細胞に含まれているので臭いはわずかですが、刻むと細胞が破壊されることによって反応が起こります。
アリシンには殺菌や抗酸化などの機能もありますが、最も期待されるのは体力の向上で、それは糖質のエネルギー化が促進されることで起こっています。糖質をエネルギー化させる働きをしているのはビタミンB₁ですが、吸収率は50%以下と低くなっています。アリシンがビタミンB₁と結びつくと吸収されやすいアリチアミンとなります。アリチアミンは吸収された後にはアリシンとビタミンB₁に分解されるので、体内に取り込まれるビタミンB₁の量が増えて、糖質のエネルギー化が促進されます。ビタミンB₁はチアミンとも呼ばれているので、アリシンとチアミンでアリチアミンと呼ばれるわけです。
臭わないニンニクは加熱をしてアリナーゼを破壊しています。気になる臭いがなくなったことで、肝心のアリシンも作られなくなっています。それでもニンニクのサプリメントを摂ると元気が出るのはニンニクに含まれるスコルジニンの働きだと考えられています。スコルジニンには血管を拡張して、血流を促進する作用があります。これらの成分によって、疲労回復、LDLコレステロール値低下、血糖値低下、血圧低下、脂肪燃焼、血栓溶解などの働きが得られます。
「サプリメントプロ検定」の講習で扱うニンニクの情報は、この文よりも少ないのですが、講習後の継続した情報提供の形で詳しい情報を伝えています。