健康食品は素材が違っても機能が同じものがあります。健康食品は複数の素材が組み合わされているものが多いのですが、同じ機能のものが複数使われているものがあります。いくつかの機能が組み合わされることで狙った働きが期待できるので、同じ機能のものを複数使うのはおかしいことになります。その例として、よく挙げられるのは糖質の分解を阻害して血糖値の上昇を抑える素材です。
グァバは東南アジアや熱帯アフリカ原産のフトモモ科の常緑樹です。葉に含まれるグァバ葉ポリフェノールには胃で糖質をブドウ糖に分解する酵素のα‐グルコシダーゼの働きを抑制し、小腸からブドウ糖が吸収されるのを遅らせ、血糖値の上昇を抑える作用があります。
桑の葉はカイコのエサである桑の葉には特有のデオキシノジリマイシン(DNJ)が含まれます。DNJは糖質をブドウ糖に分解する酵素のα‐グルコシダーゼに結合して働きを抑えることで、小腸からのブドウ糖の吸収を抑制し、血糖値の上昇を抑制する作用があります。
インドやスリランカなどの亜熱帯地域に自生するニシシギ科のツル性低木は、コタラヒム(学名:サラシア・レティキュラータ)とサラシア(学名:サラシアオブロンガ)に分けられます。スリランカ産のものは特にコタラヒムと呼ばれ、有効成分が多い特徴があります。特有成分のサラシノールは糖質をブドウ糖に分解する酵素のα‐グルコシダーゼの働きを阻害するため、血糖値を上昇しにくくする作用があります。
サラシアはインドやスリランカなどの亜熱帯地域に自生するニシシギ科のツル性低木で、サラシア・オブロンガ、ポンコランチとも呼ばれます。インド伝承医学のアーユルヴェーダでは、リウマチ、耳の疾患、喘息、湿疹、口渇の薬用植物として樹皮や根が使われてきました。特有成分のサラシノールは糖質をブドウ糖に分解する酵素のα‐グルコシダーゼの働きを阻害するため、血糖値を上昇しにくくする作用があります。
少なくとも、これらの成分が複合的に使われたものは疑ったほうがよいかもしれません。同じ糖質がブドウ糖に分解されるのを抑える働きであっても別の機能がある白インゲン豆や菊イモもあります。白インゲン豆は煮豆や甘納豆に使われる白色の豆で、大福豆、白花豆とも呼ばれ、ダイエット用の成分のフォセオラミンとしても知られます。α‐アミラーゼ阻害物質が含まれ、糖質をブドウ糖に分解する酵素のα‐アミラーゼの働きを抑制して、ブドウ糖の分解と吸収を緩やかにして、血糖値の上昇を抑制する作用があります。
また、分解されたブドウ糖の吸収を抑えるギムネマ・シルベスタと組み合わせたものもあり、こういった同じ目的で、異なる作用があるものを使うことに意味があります。
こういった選び方のテクニックは「サプリメントプロ検定」の大きなテーマとなっています。