ダイエット商品の試験結果は、一般な方の結果であって、多くの人に通用するものでなければならないはずです。ダイエット関連の健康食品の場合には、広告宣伝に登場して使用前・使用後を目で見てわかるように示してくれるプロが存在しています。
いわゆる“やせるプロ”と呼ばれていて、健康食品を摂るだけでなく、食事と運動によってダイエットをしてくれます。健康食品には「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを」と表示されています。バランスのよい食事をした結果でダイエットに成功して、それを助けるために健康食品を摂ってもよいわけです。
やせるプロは、元から太っていた人ではなくて、極端にやせている人でもなくて、食事と運動によって太りやすく、やせやすい人です。やせた結果のようなプロポーションの人が、試験前に太って、それを使用前として、使用後の状態、つまり元のプロポーションに戻るということです。
ダイエット商品の体験者の写真を入れ替えた例もあります。先に現状のスリムな状態の写真を撮っておいて、これを使用後にして、後から太って、これを使用前にするという手法です。これでは“やせるプロ”ではなくて、“太るプロ”ではないか、と考えてしまいます。
中には一卵性の双子が使用前役と使用後役を務めていた例もあります。一方が太っている女性、もう一方がやせている女性という役割分担です。そこまでのことをしなくても、今は写真をいくらでも加工できるので、場合によっては顔写真を入れ替えて、別の人の体験談にすることもできます。となると双子である必要もないことになります。
動画もCGで加工できる時代だけに、広告宣伝の写真や動画を、そのまま受け入れてよいのか疑問を抱いて見なければいけなくなってしまいました。
〔健康情報流通コンサルタント 小林正人〕