倫理法人会のモーニングセミナーに引き続いて実施される朝食会は、「いただきます」で始まり、「ごちそうさま」で終わります。
この食事をするときの当たり前のことを否定するような人が少なからずいます。学校給食の話ですが、「給食費を支払っているから、いただきますと言う必要はない」と保護者に言われて、その通りにしているという“素直な”子どもがいたということを教師から聞いたことがあります。
「いただきます」というのは食事を食べさせてもらっているから言うというものではありません。ご飯を作ってくれる保護者に対しての気持ちということもあるものの、植物や動物などの命をいただくこと、食べ物を与えてくれるすべての存在、収穫して食卓に並ぶまでに関わる方々を指していて、それを総じて“神様”と表現されることもあります。
そういったことに感謝して、自分に対しての気持ちを表したのが「いただきます」という言葉であるはずです。
食事をした後の「ごちそうさま」も、食べ物が食卓に並ぶまでのすべてに人への感謝の気持ちが込められています。
「いただきます」は全国共通のようですが、「ごちそうさま」も同じなのかというと、まったく違う言葉で締めくくっている地域があります。それは「いただきます」の対語となる「いただきました」です。
これは一部地域の方言で、長野県(南信)、岐阜県、静岡県といった中部地方で使われています。今では若い人は「いただきます」の対語は「ごちそうさま」が当たり前で、「いただきました」は高齢者が使っています。モーニングセミナーで使われているかは、まだ確認はしていませんが。
「いただきました」もよい響きだとは思うのですが、他に食事をした人がいる場面では、一緒に声を合わせているのに、一人だけ違う言葉で調和を見出すのもどうかと思って、そこは合わせるようにしています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕