筋力というと一般には重いものを持ち上げたり、瞬間的に強い力を発揮させることを指します。これは筋収縮力と呼ばれるもので、このほかに筋持久力、筋代謝力があります。筋持久力は、強い力を長く継続させる能力を指しています。
身体年齢測定で実施される握力測定は、全身の筋肉量と筋持久力の指標となっています。閉眼片足立ち時間の測定では、筋収縮力と筋持久力を想定する指標ともなっています。
筋収縮力と筋持久力に大きく関わっているのは、筋肉の中でも白筋の働きで、そのエネルギー源となっているのはブドウ糖です。これに対して筋代謝力に関わるのは赤筋で、脂肪酸がエネルギー源となっています。
腹囲(ヘソの高さでのウエストサイズ)が長い人は、内臓脂肪が多く蓄積されている人に多くなっています。特別な筋肉運動によって腹筋が鍛えられている人は腹囲が内臓脂肪の量を示すとは限らないものの、一般的には腹囲は内臓脂肪の量と比例しています。
内臓脂肪は生活習慣病のリスクを高めることが知られていることから、腹囲は身体年齢を左右するスコアとなっています。内臓脂肪は内臓の周りについている脂肪細胞の中の脂肪を指しますが、その中に含まれているのは中性脂肪です。運動をすると興奮作用があるホルモンのアドレナリンが多く分泌されて、中性脂肪が分解されて脂肪酸となります。
この脂肪酸が赤筋でエネルギー源として使われることで、徐々に内臓脂肪を減らしていくことができるようになります。赤筋を増やしていくためには、筋肉を強化する無酸素運動よりも、有酸素運動をすることが有効になります。
筋肉量が少なく、内臓脂肪が多く蓄積されていると身体年齢が進むようになります。身体年齢を実年齢よりも低くしていく(若くなる)ためには、内臓脂肪を減らして全身のバランス(スタイル)をよくすることも大切になるのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕