消化酵素が多く含まれる食品に続いて、今回は消化酵素が減っている理由を説明していきます。
野菜に含まれるミネラルは土の中から根によって吸い上げられ、野菜の中に蓄えられていきますが、ミネラルが豊富な肥料を使えば、そのまま野菜に入っていくわけではありません。根の周りにあるミネラルは、土壌の微生物の働きによってイオン化してから根に取り込まれていきます。化学肥料や農薬が使われた土壌は微生物が少なく、イオン化しにくいためにミネラルが根に取り込まれにくくなっています。
人間の身体は有害成分が入ってくると、ビタミンやミネラルを使って有害成分を分解、無毒化させています。植物も同じようにビタミンやミネラルを使って有害物質を分解しています。野菜や穀類などにとって、農薬や化学肥料のほかに環境を汚染させるダイオキシンや水銀、塩素などの工業化学物質も分解すべきものです。
これらが野菜などに含まれるビタミンとミネラルとともに消化酵素を減らす結果となっています。日本は栽培環境が大きく変化して、食品の中身も大きく変化しただけに、酵素を積極的に補わなければならないことがわかります。
酵素はタンパク質であるため、加熱すると破壊されて活性が低下することになります。体内の酵素はアミノ酸から合成されているため、空腹期間が長い就寝時に徐々に減少していき、起床時には大きく減少しています。
これを補うために、朝食では必須アミノ酸が豊富に含まれる良質のたんぱく質を摂ることが大切となります。良質なたんぱく質に該当する食品は、肉類、魚類、卵類、牛乳・乳製品、大豆・大豆製品があげられます。
〔健康ジャーナリスト/日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕