発達障害支援16 ABC分析2 行動に対する罰

2)行動に対する罰
行動を変えるための弱化や消去のために罰が使われることがあります。そのための罰には積極的な罰と消極的な罰があります。

積極的な罰には叱る、叩くといった行動があり、消極的な罰には遊びの時間を短くする、テレビを消す、ゲームを預かるといった快感を奪う行動があげられます。嫌なものを与えることはパニッシュメント、いいものを取り去ることはペナルティーと区別されています。

パニッシュメント(punishment)は処罰、刑罰、罰則、処分などを意味する用語で、嫌なものを与えることを指しています。

ペナルティー(penalty)は罰、刑罰などを意味する用語で、よいもの、好きなものを取り去ることを指しています。

積極的な罰は、要求を貫こうとして実力行使の行動を起こしているときに行われることですが、これは応用行動分析では基本的に使われていません。

親が、これまでに積極的な罰を行わなかった場合には脅しのように感じて、効果が得られにくく、実際に行動として実施されると、将来的に自ら行動をする気持ちを削ぐことにもなります。特に学習面においては、自ら考え、自ら学んでいくという積極的なモチベーション向上の妨げにもなりかねません。

消極的な罰は子どもが幼いときには効果があり、問題がみられたときに即行動としてはよい結果が得られることがあるものの、年齢を重ねると楽しく感じていることの自由が奪われることだけでは通じにくくなります。

また、時間が経過しての消極的な罰は効果が得られることは少なくなっています。モチベーションが高まる方法を見つけ、よい行動をするように導いていく必要があるのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕