身体年齢33 コレステロール値と卵の摂取量の関係

身体の健康を保つには血管の健康状態を保つことが大切で、そのためには動脈硬化の要因とされるコレステロールの過剰摂取を抑えることが訴えられていた時代があります。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」は5年ごとに新たなものが発表されています。2010年版までは1日のコレステロール摂取量は200mg未満にすることが推奨されていました。

そのため、卵の摂取量は1日に1個までと言われていました。卵はMサイズで約230mgのコレステロールが含まれていることが、その根拠とされました。

2015年版では、食事によるコレステロール摂取は血液中のコレステロール値に直接的に影響を与えないことと、コレステロール摂取が動脈硬化に影響を与える根拠が証明されていないとのことでコレステロールの摂取上限値がなくなりました。

これを受けて、卵は何個食べても動脈硬化にはならないということが広まりました。

ところが、2020年版では脂質異常症の人ではコレステロールの過剰摂取が重症化の原因になるとの理由で、脂質異常症では1日のコレステロール摂取量は200mg未満にすることが推奨されました。

脂質異常症は以前は高脂血症と呼ばれていました。脂質異常症は高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症を指しています。血液検査をして脂質異常症でないことを確認したら、良質なたんぱく質を比較的安価に摂取できる食品である卵は多めに摂ってもよいことにはなります。

しかし、日本人はコレステロール値が高めの体質で、脂質異常症の患者数だけでも220万人を超えています。女性の患者が多くて、男性の2.4倍にもなっています。高齢になるほどコレステロール値が高いことによる動脈硬化のリスクが高まっていくので、検査結果なしには「何個食べても大丈夫」ということは言えないのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕