健康食品の法規制48 痛み関連商品は販売の波が小さい

健康食品の購入数は、季節によって変化することがあります。それは気候によるものではなくて、年中行事が関係しています。出費が多い年末年始、春の連休、夏休みのお盆などは、他の出費を抑える傾向があり、健康食品の購入を少し延ばそうとする人が多くなります。

これは通常の消費行動ですが、高齢者の場合には特に強く現れることがあり、孫が訪問してくる時期には、お小遣いやお土産に費やす金額が増える分だけ、購入数、購入金額が下がりがちです。

ところが、そんな出費が影響する時期であっても販売数が減らないものがあります。それは痛み関連の健康食品で、膝に痛みがある高齢者の場合には続けて購入しようとします。定期的に購入している健康食品は続けて購入するものの、いろいろと試している段階では、安い商品に代えることもあります。

といっても効果を感じて、気に入っている商品の場合には、痛みがぶり返してはいけないからと、他の出費を削ってでも購入しようとします。孫の前では元気なおじいちゃん、おばあちゃんでいたいという心理も働くこともあって、なおさら摂り続けようとします。

膝の痛みを軽減させる健康食品の素材といえば、グルコサミン、コンドロイチンが有名ですが、「膝の痛みを軽減させる」と表現して販売することはできません。医薬品的な効能効果を表示することは法律で禁止されているからです。

そのため、機能性が研究によって明らかにされている機能性表示食品であっても、「軟骨を再生」「炎症を抑える」「痛みを軽減」とは表示できないため、「歩行機能を保つ」とか「歩行をスムーズにする」といった表現になって、初めて使う人にとってはわかりにくくなっています。

グルコサミン、コンドロイチンが効いて軟骨が再生されるまでは期間がかかるので、早く効果を感じてもらうために、痛みを軽減させる成分が加えられているのが膝関連商品の特徴です。
〔健康情報流通コンサルタント 小林正人〕