私たちが研究・実践指導しているメディカルダイエットは、生理学を基本としているので分類でいうと西洋医学の範疇となります。それなのに、発想は東洋医学的で、同じ治療、同じ医薬品なら同じ結果になるとは考えていません。
西洋医学の治療であっても受け手側の状態によって結果が違うのは当たり前のことです。東洋医学では証という体質があり、体質によって同じ手法(薬や療法)であっても身体によい結果を与えたり、逆に悪い結果を与えることにもなります。だから、東洋医学には、医薬品(漢方薬だけでなく)は体質が違うと、どんなものでも悪くなる可能性があるという考えがあります。
健康づくりの手法(食事、運動、休養など)にしても、個人の状態を考慮すると合うものもあれば合わないものもあって、ピッタリと合うための“健康デザイン”を行うためには、数多くの手法を研究して、さらに体質の研究も進めていくことが必要だと考えています。
私が東洋医学の発想をするのは、妻が鍼師、灸師、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を持っているからだと言われることが多くなっています。私の栄養学の師匠(当時は国立病院勤務の管理栄養士)が東洋医学国際研究財団の副会長も務めていたこと、主治医(有名私立大学の医学部教授)が日本未病学会の理事長を務めていたこと、子どものときに親元を離れて母の実家の寺で暮らしていたこと、親と暮らすようになったのが山奥で医療機関がないところで野草・薬草に親しんでいたことなども関係しています。
西洋医学と東洋医学の両方の仕事で中国の医療機関を取材したときに、西洋医学の医薬品を東洋医学の発想で使っている病院が多いことを知りました。日本では健康食品の扱いのキノコ加工品が、国家プロジェクトで医薬品として病院で広く使われることも知りました。
西洋医学は重要であることを認めつつも、自分の身体の状態に合わせたアレンジ、デザインが必要だと強く認識したことが、今も影響を与えています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕