サプリメント、健康食品は医薬品とは違って、診断なしに使うことができて、自力で健康状態を保ち、病気に傾いているような体調を元の状態に戻すことが期待されています。自分の意志と工夫で健康状態に導いていくというのは、“未病”の発想と共通するところがあります。
未病というと、健康と病気の間の状態で、元は東洋医学の発想でした。しかし、今では西洋医学でも研究が進められ、日本未病学会に参加する医師の多くは東洋医学の発想で西洋医学を実施しています。
日本未病学会は、単に健康と病気の間を未病とするだけでなく、自分の力で健康状態に戻ることができる状態としています。疾病の診断がされて、医薬品が使われたとしても初期段階では食事や運動、生活改善によって健康な状態に戻すことは可能です。
医療に完全に頼らなければならない状態になったら、これは病気とされて、もはや自力では健康状態に戻ることはできなくなります。まだ未病の状態にある段階で、少しでも早く対処して、病気にならないようにすること、健康な状態に戻ることができるようにするのが重要であり、そのために利用されるのがサプリメントの役割です。
例えば、血糖値が高くなりすぎて、このままでは糖尿病になるという人は、いわゆる予備群となります。糖尿病と診断されれば治療の対象となり、医薬品も使われます。糖尿病は食事療法、運動療法でも血糖値が下がらない人に医薬品が使われます。医薬品に頼りきりになるのではなく、自分の努力も必要で、その段階であれば健康な状態に戻ることができます。
糖尿病は合併症が発症しなければ重篤な状態にはなりません。糖尿病と診断されても、合併症がない状態は未病と考えることができます。医薬品を使っていても、糖尿病の血糖降下剤の作用機序がない小腸からのブドウ糖の吸収阻害をするギムネマ・シスベスタを使って、医薬品の効果を補助するという使い方もされます。