噛む噛むeverybody17 乳児期のう蝕予防

厚生労働省の「健康日本21」では、歯・口腔の健康について目標を定めて健康づくりを推進しています。その現状と目標から歯の喪失の防止について乳児期のう蝕予防を紹介します。

◎乳児期のう蝕予防
乳児う蝕は3歳児で昭和60年に1人平均2.9歯、有病者率56.2%であったものが、平成10年には1人平均1.8歯、有病者率40.5%となるなど、近年確実に減少傾向を示しています。

しかし、都道府県別に見ても有病者率で30ポイント以上の差があるなど、地域差、個人差が非常に大きいという課題があります。

また、乳歯のう蝕と永久歯のう蝕には強い関連が認められるなど、乳幼児期は歯口清掃や食習慣などの基本的歯科保健習慣を身につける時期として非常に重要であり、生涯を通じた歯の健康づくりに対する波及効果も高いと言えます。

そのため、3歳児におけるう蝕のない者の割合を増加させていくことを目標として、乳歯う蝕の予防を徹底していく必要があります。

一般的に、う蝕の予防対策としては、その病因論から、う蝕を誘発する甘味飲食物の過剰摂取制限、歯口清掃による歯垢(デンタル・プラーク)の除去、歯質の強化対策としてのフッ化物の応用などが実施されています。

一方、3歳児のう蝕に関するリスク因子に関しては多くの調査が行われており、甘味摂取の回数、授乳方法・期間、保護者(母親)のう蝕経験、フッ化物歯面塗布回数などが示されています。
〔健康ジャーナリスト/日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕