病名や体調の不良が示されて、その後に「ききました」という言葉が流されたら、これを悪い状態がよくなったと判断する人は少なくありません。テレビで流されるようになったCF(コマーシャルフィルム)には、「腰痛の人にききました」「膝痛の人にききました」という言葉とともに、画面にも文字で「ききました」と出ています。
これは腰痛や膝痛がある人に、商品を使ってもらったり、使いたいかという感想を“聞いている”だけなのに、コマーシャルを見ている側は勝手に“効いた”とイメージしています。そのイメージを活用したのがテレビコマーシャルの“よいところ”で、元気に歩いているシーンを流されたら、元気に歩けるようになったと考えてしまいます。
元気に歩いているシーンの前に、膝痛があると歩きにくくなるというイメージのシーンが入れてあると、使用前・使用後という印象になって、それだけで商品は医薬品であっても健康食品であっても効果があるとイメージさせることができます。
また、小さなドアから出てきた人が気持ちよさそうな顔をしていたり、お腹をさすったりしているシーンがあると、トイレから出てきた、トイレで出たという印象をもって見てしまいます。
それだけでも充分であろうと思えるのに、画面に「スッキリ」とか「○○さんの後でも気にならない」という文字が出てくると、これはトイレで便通がよくなったと“勝手に”判断をしてしまいます。
このようにイメージ先行であっても、含まれている成分の内容を考えず、飛びついてしまう人が多いことから、まだまだ半分騙されているようなテレビコマーシャルが出続ける可能性が非常に高いといえます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕