“そうめん”と“ひやむぎ”の違いを説明するというのはテレビ番組の「○○に叱られる!」のネタになりそうなテーマですが、“そうめん”と“ひやむぎ”が同じものであって、地域で呼び名が違うと思っていたタレントがいて、その発言がカットになったテレビ番組がありました。
あまりに“おば○”丸出しだと感じてのことでしたが、それから半年も経たないときに、有名な女優さんが同じことを言ったのに、それは放送されたことがあります。もともと天然なところがあった女優さんということもあったのですが、発言した人のイメージによって放送の有無が決まるということが言われたものです。
“そうめん”(素麺)は小麦粉を塩水でこねて生地を作り、油を塗りながら細く延ばす製法で作った麺で、“ひやむぎ”(冷麦)は生地を綿棒を使って薄く延ばして細く切る製法で作った麺です。製法が違うので、違うものであるのは明らかです。
今では“手延べ”と表示されていないものは機械で製造されていて、JAS(日本農林規格)によって分類されています。“そうめん”は直径1.3mm未満、“ひやむぎ”は直径1.3mm以上1.7mm未満と定められています。
太さによって分類できるなら、製法がわからなくても見分けがつきそうな感じがします。ところが、この違いは機械製法の場合で、手延べの場合には“そうめん”も“ひやむぎ”も直径1.7mm未満とされています。
ちなみに、機械製造でも手延べでも直径1.7mm以上のものは“うどん”と分類されています。うどんの伝統的な製法は、ひやむぎと同じ生地を綿棒を使って薄く延ばして細く切るという作り方になります。
こういった説明ではなくて、別の説明をした有名な料理評論家がいました。「上品なものが“そうめん”、そうでないものが“ひやむぎ”」ということで、“そうめん”は「おそうめん」と呼ばれるのに“ひやむぎ”は「おひやむぎ」とは呼ばれないという“味がある”説明で、“お”がつくものは上品な食べ物とされていたというのです。
ということは、「おうどん」も「おそば」も上品な食べ物ということになるのですが、「はたして庶民の感覚はいかに」と疑問も湧いてくるところです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕