ノルディックウォーキングというと、2本のポールを使って歩くことを指していて、発祥の地は北欧のフィンランドです。クロスカントリースキーの夏場のトレーニングとして始まったことから、ポールの力を使って勢いよく前進するという歩き方をします。スポーツ感覚のウォーキング(アクティブウォーキング)とされています。
日本には複数の推進・普及団体がありますが、フィンランドやドイツなどに本部がある団体の流れを汲んでいます。ポールは斜め後ろについて、後方にポールを大きく投げ出すように歩くことからアスファルトバッドは斜め(おおよそ45度)となっています。そして、ポールから手が離れても戻ってくるようにポールのグリップとグローブがストラップでつながれています。
これに対して日本で誕生したのが一般にポールウォーキングと呼ばれるもので、これがポールを前について安定性を重視して歩くものです。ポールは握って使うようになっていて、腕でも全身を支えることになることから足の負担が減り、膝にも負荷がかかりにくく、高齢者にも向いている歩行法(ディフェンシブウォーキング)とされています。
こちらも複数の団体があるのですが、日本ウオーキング協会との連携によって推進されている全日本ノルディック・ウォーク連盟は21都道府県に地域協会があります(例:岡山県ノルディック・ウォーク連盟)。同連盟の創設者は日本ウオーキング協会の元会長です。
他に日本ポールウォーキング協会などがあり、ノルディック・ウォークという名称がノルディックウォーキングを想像させることもあって、始めようとしている人を混乱させることもあります。
全日本ノルディック・ウォーク連盟は、地域協会がない府県でも活動ができるように近隣の地域協会が指導する体制を採っています。ノルディックウォーキングの団体は、ポールは同じであっても使い方、歩き方が異なるという“流派”のようなところがあるのですが、全日本ノルディック・ウォーク連盟はポールウォーキングの歩き方を基本としながらも、ノルディックウォーキングのポールと歩き方をする人も受け入れています。
ポールウォーキングでは物足りない人がノルディックウォーキングを行い、両方を楽しむこともすすめています。また、加齢や体力の変化につれてポールウォーキングに戻ってくることもあります。
そのような背景もあって、健康スポーツの入口(導入編)としてノルディック・ウォークと連携したウォーキングをすすめています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕