ツイン・ウォーク73 水分補給の重要性

水分を積極的に摂取することは熱中症予防だけでなく、全身の状態を整えるためにも大切なことです。身体の60%は水分だと言われますが、その水分の多くは細胞の中に含まれています。全身に60兆個以上あるとされる細胞は、水分が一定量に保たれているときに正常な働きをすることができます。

汗をかく時期には、体内の水分が失われていくわけですが、それが皮膚の表面から始まり、血液中の水分が補われ、さらに全身の細胞の水分が使われていきます。1日の水分摂取量は1ℓ(1000ml)以上とされますが、夏場には1.2〜1.5ℓは必要とされます。

ウォーキングなどの運動をするときは、夏場でなくても多めの水分摂取が必要です。多くの水分を摂ることの大切さを伝えるときに、話題として使われるのは夏場と冬場のトイレの回数と排尿量の話です。

冬になるとトイレが近くなる、排尿量が増える理由として、寒さのために膀胱の機能が低下するようなことを説明する人もいますが、人間は恒常性がある常温動物です。周囲の環境に関係なく、身体の機能は保たれています。

全身で使われる水分の流れも、細胞でエネルギーが作られるときに発生する代謝水も変化はありません。それなのに冬場に排尿量が増えるのは、汗として蒸散する水分が減っているからで、蒸散が多い夏場には、尿になるはずだった水分が汗として出ているということです。

汗だくの状態でなくても、気づかないうちに皮膚から出ている汗の不感蒸泄は1日に600mlとされています。この量が夏場は増えていきます。冬場の尿の量が普通の状態であるということがわかれば、夏場に少なくなる尿の量と比較して、その差の分は水分を多く飲むようにすることが大切だということがわかります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕