健康づくりを目指して運動をすることがすすめられると、まずは以前から馴染みのある運動、若いときに体験した運動を始めることが多いようです。
生活習慣病対策としての運動は、まずは有酸素運動がすすめられます。高血圧、糖尿病、脂質異常症は、有酸素運動によってブドウ糖、脂肪酸が消費されることによって予防・改善することができます。
過去に走っていた人は、有酸素運動というと走ることを選択しがちですが、生活習慣病のリスクが高い人は血管に負担がかかっていることが多く、急に血流が盛んになる運動は血管にダメージを与えることにもなります。
それでも負荷がかかる有酸素運動であるジョギングやランニングを選ぼうとする人が多いのは、ウォーキングだけではブドウ糖や脂肪酸の消費量が少なく、体脂肪の代謝効果が低いからです。
歩くだけでも、体脂肪を減らすメタボ対策、血糖値や中性脂肪値を低下させる効果があれば、安全な健康法として積極的に歩く人が増えるはずです。その方法としてすすめられる一つの方法が無酸素運動の筋肉運動をした後に歩くことです。
無酸素運動は短時間で酸素が筋肉に取り込まれることで、その後に有酸素運動をすると筋肉の中の酸素がブドウ糖や脂肪酸の代謝を進めてくれます。その結果として、短時間でも生活習慣病の改善効果が得られます。
歩くだけでは通常では筋肉が強化されにくいのですが、速歩をすると筋肉に送られる酸素が増えるだけでなく、筋肉を強く刺激して、筋肉を増やす効果もあります。そのための速度は時速7km以上のスタスタ歩きです。
速歩は長くは続かないので、速歩の後には普通歩行(時速4〜5km)を行います。この速歩と普通歩行を繰り返すことで、より筋肉を強化して、ブドウ糖と脂肪酸の消費も進められます。この歩き方はインターバルウォーキングと呼ばれます。
〔健康ジャーナリスト/日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕