歩くだけでも、速度を変えることで筋肉を強化する効果を高めることができます。どのように変えるのかというと、普通歩行に速歩を加える方法です。これはインターバル速歩とも呼ばれていて、普通歩行を3分間、速歩を3分間と歩き方を交互に変えることを指しています。
これは疲労物質の乳酸を溜めないようにするためで、普通歩行では乳酸は溜まりにくいものの、3分間であっても速歩をすると脚の筋肉の負荷が高まり、ブドウ糖の消費が急速に高まることから酸素不足になり、その結果として乳酸が発生するようになります。
普通歩行は有酸素運動になり、速歩は有酸素運動であっても無酸素領域の負荷になります。インターバル速歩は有酸素運動と無酸素領域の運動を繰り返す歩き方ということです。
有酸素運動と無酸素運動を同じ時間だけ繰り返すというのは、インターバルトレーニングで実施されているものです。これはマシントレーニングを30秒間、ジョギングを30秒間、繰り返して行うこのですが、その多くは中高年の女性を対象としたもので、マシントレーニングは無酸素運動になるほど負荷は強くはなくて、ジョギングといっても足踏みをするだけなので、有酸素運動と呼べるほどのものではありません。
普通歩行と速歩を繰り返すほうがインターバル効果は高く、無酸素領域の速歩で筋肉の中に多くの酸素が取り込まれ、次の普通歩行で酸素を多く使って脂肪代謝を進めようとするものです。速歩というのは、この場合には「なんとか会話ができる速度での歩行」を指しています。
インターバルトレーニングが30秒間で切り替えているのは、無酸素運動を30秒間続けると乳酸が発生するので、その前に有酸素運動をしようというものですが、乳酸は有酸素運動によってエネルギー化できるので、30秒間にこだわる必要はありません。有酸素運動としての普通歩行を3分間するなら、無酸素領域の速歩を3分間以上やって乳酸をエネルギー化しようという発想です。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)