身体年齢は平均寿命の延びと連動しているところがあります。国民の平均寿命は厚生労働省から発表されていますが、そのデータは「簡易生命表」といいます。最新版は令和5年7月28日に発表された「令和4年簡易生命表」です。
簡易生命表というのは、各年齢の人が、あと何年生きられるかを示した平均余命の推定値で、一般に平均年齢と呼ばれているのは0歳児の平均余命です。
0歳児が何歳まで生きられるかという推定は、今と同じ社会状況(経済状況や環境状況、医療状況など)が続いたとして計算されています。
これまでは、日本人の0歳児の平均余命(つまり平均寿命)は延び続けていました。そのおかげで、日本人は世界一の長生きと評価されることになったのですが、この歴史的な流れに異変が起きたのは令和3年のことです。
令和2年は男性が81.56歳、女性が87.71歳であったのが、令和3年には男性が81.47歳、女性が87.57歳になりました。男性がマイナス0.09歳、女性がマイナス0.14歳となっていました。
そして、令和4年簡易生命表では、男性が81.05歳、女性が87.09歳になり、男性がマイナス0.42歳、女性がマイナス0.48歳となりました。この傾向は0歳児だけでなく、すべての年齢で、男女ともにマイナスとなっていたのです。
このマイナスとなった歴史的な出来事の要因は、新型コロナウイルス感染症と、これが原因となった心疾患(心筋梗塞、狭心症など)、老衰などの死亡率が高まったことです。がんや脳梗塞などの死亡率は低くなっていて、これは平均寿命を延ばす要因になっているはずなのに、それ以上に新型コロナウイルス感染症の影響が大きかったということを示しています。
また、がんや脳梗塞などの死亡率が低くなっているといっても、これも以前と比べると延びが小さくなっていて、このことにも新型コロナウイルス感染症が影響を与えています。
そのため、今後も平均年齢が延びない、もしくはマイナスになる状況が続くのではないかと考えられているのです。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けたのは全世界に共通していることであるので、日本人の平均寿命世界一(男性が2位、女性が1位で平均して1位)という状況は、今後も続くと予測されています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕