腸内細菌の善玉菌と同じような働きをするビフィズス菌や乳酸菌を摂れば、そのまま腸内に定着してくれるわけではありません。腸内で棲息するためには条件があるのですが、その中でも重要になるのは善玉菌の栄養源(エサ)になるものを摂ることです。
腸内細菌は、誕生したときから腸内にいたわけではなく、誕生後に親の身体や周囲の環境の中にいる細菌が取り込まれて定着して、それぞれの人の腸内細菌となります。例えば、親の身体の細菌がすべて取り込まれるわけではなく、出産後の乳児の腸内の環境によって定着する細菌が違ってきます。
乳児の腸内は酸性傾向が強く、そのため酸性の環境で棲息しやすい細菌が多くなり、アルカリ傾向で棲息しやすい細菌は増えにくくなっています。善玉菌に分類される細菌は酸性度が高いほど増えやすく、悪玉菌に分類される細菌は増えにくいのです。それとは逆に悪玉菌に分類される細菌は増えにくいということです。
善玉菌と悪玉菌では主な栄養源が違っています。善玉菌は糖質、乳製品(乳糖)、食物繊維が主な栄養源で、悪玉菌は動物性たんぱく質、脂肪が主な栄養源となっています。この特徴からすると糖質や野菜が多い和食は善玉菌を増やしやすく、肉類や脂肪が多い洋食は悪玉菌を増やしやすいことになります。
腸内細菌は善玉菌も悪玉菌も栄養源をとって、細菌の中で発生した代謝物を外に出しています。その代謝物が酸性傾向であって健康に役立つものは善玉菌、アルカリ傾向であって健康を害するものは悪玉菌と分類されているだけです。
善玉菌が多くなると、腸内は酸性傾向が強くなって、ますます善玉菌が増えやすくなるという好循環となります。逆に悪玉菌が多くなると、腸内は酸性度が下がって、善玉菌が増えにくく、悪玉菌が増えやすくなるという悪循環になっていくということです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)