メディカルダイエットと未病の関係

未病は“未だ病ならず”という意味で、病気の予備群と認識されることが多いようです。ある漢方系飲料のメーカーが未病をテーマに冷え対策をアピールしたコマーシャルを展開してきたことから、「未病=冷え」と思っている人も多く、冷えは病気の原因、身体が冷えなければ病気にならないと捉えている人も少なくありません。
未病とメディカルダイエットの関連性というテーマで話をすると、ダイエットをしたら冷えるのでは、とか、ダイエットで未病というのは太っている人にだけ通用することでは、という反応が返ってきます。これはメディカルダイエットも未病も勘違いされているから出てくる発言です。
メディカルダイエットは、やせることを意味するダイエットのことでもなければ、医学的手法でやせるようにすることでもありません。ダイエット(diet)の本来の意味は方針や作戦、戦略などで、正しいことを実践するのがダイエットとなります。それが食事では正しい食生活、食事療法、運動では身体に適した運動、運動療法を表す言葉として使われています。そのダイエットをメディカルの立場で研究・指導するのがメディカルダイエットで、ターゲットは生活習慣病の対策のための食事と運動です。
未病は病気ではないということで、健康状態を指すと思われがちですが、自立できている間は病気ではなく健康な状態です。これはWHO(世界保健機関)も厚生労働省も同じ考えとなっています。高血圧でも糖尿病や脂質異常症(高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症など)であっても、合併症の動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などが発症していなければ健康ということになります。その生活習慣病を抱えていても元気に暮らすことができるように西洋医学的アプローチをするのが“未病医学”“未病医療”の立場です。
こういった点を重ねて考えると、メディカルダイエットは未病と通じるところがあることがわかると思います。