日本人は冷えやすい体質であることが知られています。身体が冷える人も温かい人も血液の温度に大きな差はありません。日本人の場合は38℃前後です。この温かな血液が全身に送られ、皮膚からの放熱によって体温(皮膚温)が36〜37℃ほどになります。身体が冷える人も血液の温度が変わらないということは、血液の循環がよくない状態の人が冷えを感じる、実際に冷えていることになります。
血液の温度を高めるためには血の巡りをよくするように運動をしたり、入浴などで温めたり、身体を温める作用がある唐辛子や生姜を食べたり、さらに血管を収縮させて血流を低下させる自律神経の交感神経の働きが強くなりすぎないようにストレスをためない、副交感神経の働きを盛んにして血管を緩めるためにリラックスするという方法があげられます。
日本人と比べて体温が高い欧米人や北方系のアジア人などは血液の温度が39℃ほどもあります。これは体内でエネルギーを作り出している細胞内のミトコンドリアで脂質や糖質の燃焼がよくなっているからです。燃焼をよくしているのは糖質をミトコンドリアに取り込む働きをするα‐リポ酸、脂質を取り込む働きをするL‐カルニチンが多くなっているからです。また、エネルギーを作り出すTCA回路の働きを高めるコエンザイムQ10も多くなっています。
これらの3成分は三大ヒトケミカルと呼ばれ、体内で合成されますが、欧米人などは肉類などエネルギー量が高い食品を多く食べてきた歴史があるために、それらをエネルギー化するために必要な3成分が多く作られるようになり、これらを使って体温が高まりやすい体質となっています。
日本人は約1℃も血液の温度が低いということは、それだけ身体が冷えやすいだけでなく、作られるエネルギー量も少ないので、これが欧米人や北方系アジア人などよりもパワーがない原因となっています。