血液の温度が低いことは免疫にも大きな影響を与えます。「体温が1℃下がると免疫が30%低下する」という話が広まり、医科学の専門家にも支持者が広がっています。体温は血液の温度に左右されています。体温が1℃低ければ、という話は、そのまま血液の温度が1℃低いということにつながります。日本人の血液の温度は約38℃で、それよりも1℃ほど高い欧米人と比べたら、免疫が30%低いことになるということです。
免疫細胞は血液の温度が高いほうが活発に働くことになるので、日本人は免疫が低いことになります。血液の温度が高ければ、動物の脂肪は溶けやすくなり、血流もよくなります。動物の血液の温度は40℃以上もあります。体温が高い羊の血液の温度は44℃にもなっています。この温度が高い血液の中で溶けている脂肪は低い血液の中では固まりやすくなります。いわゆる“ドロドロ”状態になるわけですが、そのために流れが悪くなり、免疫細胞が早く働きにくくなります。この関係を消防車にたとえると、消防車は空いている道路なら火災現場に素早く駆けつけて消火することができるのに対して、渋滞していると時間がかかり、大火事になってしまうことになります。
それと同じように、血流が悪くなると。免疫細胞が充分に働けなくなり、がん細胞や病原菌などに侵されないようになるというわけです。
血流が悪いと腸の温度も低くなります。腸内細菌の善玉菌は腸内の温度が高くなるほど増殖しやすくなり、活動も盛んになります。善玉菌が増えると腸管免疫と呼ばれる腸壁にあるパイエル板の反応がよくなって、免疫細胞である白血球やリンパ球の活性が高まっていきます。血液の温度が低くて、腸内の温度も低い日本人は複数の理由が重なることによって免疫が低くなっているのです。
健康の話をするときには、こういった基本を押さえて置くことが大切であり、教育の中でも伝えていくようにしています。