自律神経の交感神経は自動車にたとえるとアクセル、副交感神経はブレーキに当たります。そのたとえからすると、交感神経の働きが盛んになれば血流が高まるように感じるかもしれません。ところが、実際には交感神経の働きが盛んになると血流が低下してしまいます。
その理由は、血管は交感神経によって収縮して、血液が通過しにくくなるからです。
ストレスが高まると心臓の鼓動が増えて、血圧が高まり、呼吸数が増えていきますが、これは血管が収縮して血流が低下していることと関係しています。
ストレスが高まると毛細血管の血流も悪くなり、皮膚細胞に送られる酸素と栄養素が不足するようになります。その結果として、皮膚細胞の新陳代謝が遅れることになります。
皮膚は外側から表皮、真皮、皮下組織の順に重なっていて、表皮の一番外側が角質層となります。表皮には血管が通っていなくて、真皮に毛細血管によって届けられた栄養素と酸素によって真皮の健康状態が保たれ、その結果が表皮の健康につながっていきます。
皮膚のトラブルの原因として免疫の低下もあげられています。血流がよくないと、白血球がトラブルのあったところまで駆けつけるのに時間がかかることになります。これは消防車と道の混雑にたとえられることで、道がすいていれば消防車はすぐに駆けつけて小火(ぼや)で消火することができます。ところが、道が渋滞していると駆けつけるのに時間がかかり、小火で消せるはずだったのに全焼してしまったということにもなりかねません。
免疫を高めて、肌のトラブルを起こす細菌などと戦う力を高めるためには、血流はとても大切なことだということがわかるかと思います。
表皮に現れるトラブルは真皮の栄養不足が原因として考えられることから、ストレスが強くなるほど血流が低下して、皮膚細胞の新陳代謝を低下させるので、肌の状態はストレスのセンサー(バロメーター)となります。センサーの働きによって肌の健康状態に気づいたら、小手先のケアに頼るのではなくて、ストレスを軽減させて血流を盛んにするという根本的な対策を考えるべきだということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕