美白成分として化粧品に使われているL–アスコルビン酸は紫外線によるメラニン色素の増加を抑える作用があります。L–アスコルビン酸はビタミンCの化学名でもあって、抗炎症作用、抗酸化作用が認められています。
美白成分のL–アスコルビン酸は皮膚の外側からアプローチしているわけですが、これを身体の中から効果的に補おうというのが食品からのビタミンCの摂取です。
ビタミンCが豊富に含まれている食品といえば柑橘類(レモン、オレンジ、グレープフルーツ、ゆずなど)を真っ先に思い浮かべるかもしれません。同じ重量で比較するとアセロラ、グァバ、キウイフルーツのほうが柑橘類よりもビタミンCが豊富です。
ビタミンCには、ミネラルの鉄の吸収を高める作用があることが知られています。鉄は赤血球の酸素を運ぶための重要な成分で、全身の細胞に酸素を届けて、皮膚の新陳代謝を高めるためにも必要なものです。
鉄には動物性食品のヘム鉄と植物性食品の非ヘム鉄があって、食品の中に多く含まれているのはヘム鉄のほうです。含有量が少なくて、吸収率も低い非ヘム鉄の吸収率を高めてくれるのがビタミンCなのです。
この他にホルモンの生成や脂質代謝などを助ける働きもあります。
抗酸化ビタミンと呼ばれるのはビタミンA、ビタミンC、ビタミンEです。このうち活性酸素を最も早く消去してくれるのはビタミンCです。早く消去する分だけ、体内から失われるのも早くなっています。紫外線を多く浴びる時期はもちろんのことで、ストレスによっても減っていくので、季節に関係なく不足させないようにする必要があります。
抗酸化ビタミンのうち、最も抗酸化力が強いのはビタミンEです。抗酸化力が強いことで多くの活性酸素を消去することから、ビタミンEを多く摂ろうと考える人も多いかと思います。
ビタミンAとビタミンCは活性酸素を消去したあとには破壊されるのですが、ビタミンEは活性酸素を消去したあとも電子のバランスが崩れたまま残っています。そのために活性酸素と同じように全身の細胞を傷つけることになります。
バランスが崩れたビタミンE(活性型ビタミンE)を元の状態に戻してくれるのがビタミンCの役割です。紫外線の影響だけでなく、細胞を酸化させる有害ミネラルやストレスによっても活性酸素は大量に発生するので、3種類の抗酸化ビタミンはセットで摂ることが大切です。そういった意味もあって、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEは“抗酸化ビタミンのACE(エース)”とも呼ばれているのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕