日本人の皮膚は、欧米の白人に比べると角質層が薄く、その分だけ真皮と皮下組織が厚いことが知られています。この調査を行ったのは厚生労働省の産業医学総合研究所で、日本人の角質層は白人に比べると3分の2ほどであることが報告されています。
角質層の厚さは0.01〜0.03mmとされていますが、日本人の場合は平均すると0.01mmとなっています。食品用ラップの厚さは0.01mmであるので、これとほぼ同じ厚さとなっています。
平均的には表皮は0.1〜0.3mm、真皮は1〜3mmで、日本人は角質層が薄めであることから肌の色は白くなっています。その分だけ紫外線のダメージを受けやすく、ピーリングや洗顔のしすぎによって皮膚を傷めることにもなりかねません。
アジア人種は白人種や黒人種に比べると角質層からの水分蒸散量が多くなっていますが、特に日本人は角質層が薄いために、水分蒸散量が多く、水分保持量が低下しやすくなっています。
その代わり、角質層が薄いことから、化粧品成分の浸透性がよくなっています。それは皮膚の状態に合った保湿成分などの化粧品成分は効果が出やすい反面、刺激の強い化粧品成分の使用によって皮膚にダメージを与えやすいということになります。
紫外線を浴びると角質層が厚くなるのは世界的な傾向ですが、白人種の角質層の厚さは0.03〜0.04mmにも厚くなります。ところが、日本人の場合には角質層は厚くならず、メラニンが増えていきます。日本人は角質層が薄い分だけ、しみやくすみが出やすくなっています。
日本人の皮膚の特徴に合わせたケアが必要になるということで、使用する化粧品も特徴に合わせて選択する必要があるわけです。
皮膚の特徴を男女で比較すると、日本人の場合には男女で大きな差はありません。一般的には男性のほうは皮膚が厚いイメージがあるかもしれませんが、あまり差はないということです。
皮膚の状態に差はなくても、男性は女性に比べると水分蒸散量が2倍ほども多く、その分だけ保水量が半分ほどと低いことが知られています。これは性別による差というよりも、男性は保湿などのスキンケアの機会が少なく、皮膚のバリア機能が低くなっていることが関係しています。
鼻の毛穴の汚れや角栓を取り除く鼻パックは便利なものではありますが、薄い角質層が剥がれやすくなります。また、角質層が剥がれると回復に時間がかかることになって、これがダメージにもつながりかねません。
角質層が薄い体質の日本人の場合には、通常の洗顔やクレンジングによって取り除くことを中心にすべきです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕