ツイン・ウォーク81 骨を強くする負荷ウォーキング

「太っていて、よいことは何もない」という言われ方をすることがあります。生活習慣病のリスクは「太っている=体脂肪が多い」と指摘されることがあり、メタボリックシンドローム対策では余分な体脂肪を減らすことが第一となっているため、太っているだけでよくないこととのレッテルが貼られてしまいます。

太っているというのは、一般には内臓脂肪が多いことを指しています。身長に比べて体重が多くても、体脂肪率が低ければ、これは本来は太っているとは言わないはずです。メタボリックシンドロームは内臓脂肪症候群と訳されているだけに、内臓脂肪は悪玉中の悪玉とされてしまいます。

そんなにも太っていることは悪いことしかないのかというと、いくつかよいことがあげられます。やせているよりも免疫力が高く、食事ができなくなったときの生存率の高さの他に、骨密度が高いということもあります。

骨は常に破骨細胞が破壊して、骨芽細胞が新たに骨を作っています。破骨細胞の活性は成人以降では大きくは変化しないのですが、骨芽細胞の活性は中年以降は大きく低下します。骨芽細胞の活性が破骨細胞の活性を下回ると骨粗鬆症に向かって進んでいくことになります。

骨芽細胞は骨に強い力がかかると活性が高まります。体重が重いほど活性が高まって、骨が丈夫になっていきます。

これが太っていることのメリットとなっているわけですが、何も骨を丈夫にするために太る必要はありません。骨にかかる負荷を強めればよいので、勢いよく歩く、階段の上り下りを繰り返すことでもよいのです。

それでも歩くと内臓脂肪が分解されてエネルギー源として使われるので、体重は減っていきます。そこで荷物を背負って歩くことがすすめられます。体重が多いほど身体にかかる負荷が強くなり、筋肉も丈夫にすることができるようになり、さらに骨も丈夫にすることができるということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕