健康食品の中でも機能を表示して販売できる機能性表示食品は、どんな機能なのかわからないような機能が表示されていることがあります。中でもわかりにくいのは目の機能で表示される「ぼやけの解消」です。
文字を見ていて、ぼやけを感じるのは、いわゆるピントが合わなくなった状態で、カメラのレンズを通した画像が“ぼやけた状態”であればピント調整をして、くっきりと見えるようにします。
そのイメージで「ぼやけの解消」が表示された機能性表示食品を使うと、期待と違った結果になるかもしれません。というのは、「ぼやけの解消」を表示した機能性表示食品に使われているのはルテインや、ルテインから合成されるゼアキサンチンだからです。
ルテインはブロッコリーやケール、マリーゴールドなどに豊富に含まれる抗酸化作用のあるカロテノイドで、眼の網膜の黄斑部や水晶体のほか、乳房、子宮頸管部に蓄積されています。
体内には約20種類のカロテノイドが存在していますが、黄斑部に存在しているのはルテインと、ルテインから合成されるゼアキサンチンだけで、この2種類のカロテノイドが黄斑部と水晶体に蓄積され、活性酸素による酸化から眼を守っています。
ルテインは、日光による眼のダメージを防ぎ、黄斑変性症や白内障のリスク低減などの作用があります。また、色のコンストラスト調整作用があり、機能性表示食品は、このコンストラスト調整作用のことを「ぼやけの解消」と表示しているのです。
それなのにピント調整を期待しても、それは期待のほうが間違っているということは、消費者庁に届け出された機能性表示食品の内容を専門のホームページを見ればわかることです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕