治検14 体質の遺伝

体質は遺伝によって伝えられてきました。体質は環境(自然環境や気象など)、社会情勢(経済や衛生など)に合わせて、過酷な状態でも生き残れるように変化してきた結果といえます。体質の変化は健康面では国民的なプラスとなってきたわけですが、マイナスなこととしてあらわれることもあります。

それは生活習慣病のリスクで、親の体質、祖父母の体質が受け継がれていくことがあります。生活習慣病の中でも遺伝的な要素が強いのは糖尿病と高血圧です。父親の家系に糖尿病が多い場合には、そこに生まれた子どもには糖尿病が多い傾向があります。母親の家系に高血圧が多い場合には、子どもに高血圧が発症しやすいことが知られています。

私の場合は、父親は糖尿病の家系、母親は高血圧の家系でした。生活習慣病は、その名が示すように生活習慣が発症の要因となっているものではあっても、高血圧は遺伝の要素が6割、生活習慣の要素が4割と言われています。

糖尿病は1型と2型がありますが、患者の95%を占める2型糖尿病は遺伝が影響しています。片親が糖尿病なら発症の確率が20%(27%との報告も)、両親が糖尿病なら40〜50%(58%との報告も)の確率に跳ね上がっています。これは欧米に比べて1.5〜2倍の発症率となっています。

日本人に糖尿病が発症しやすい理由として、この発症率があげられることが多くなっています。父親が糖尿病の家系、母親が高血圧の家系ではあっても、私は健康関連の仕事をしてきて、それなりの知識を持って予防のための実践をしてきたおかげで、高血圧も糖尿病も避けることができました。親戚には片方の遺伝があるところに生活習慣が重なって、ともに発症した人も少なくありません。

遺伝というだけでリスクがある人は、その生活習慣病を発症させないようにすること、他の生活習慣病も発症させないように、より検査結果には敏感になり、生活習慣病の情報も吸収するようにすることが大切になります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕