胃が痛くなるのはストレスが原因だ、とよく言われます。確かにストレスが溜まってくると、自律神経の交感神経の働きが盛んになることで胃液の分泌量が減ります。そのために消化が充分に行われなくなり、胃に負担がかかるようになって胃炎につながるようになります。胃潰瘍もストレスが原因とされますが、今では別の原因があって、それにストレスが加わって胃潰瘍が起こることがわかってきています。その原因というのはヘリコバクターピロリ、いわゆるピロリ菌です。
胃は強酸性の胃液によって酸性に保たれていることから細菌は生き残れないとされてきましたが、ピロリ菌は胃の中に棲みついています。どうして、そんなことができるのかというと、ピロリ菌にはウレアーゼという酵素があって、胃酸に含まれる尿素からアルカリ性のアンモニアを作り、これによって胃酸を中和させて生き残ることができます。そればかりかアンモニアが胃の粘膜を傷つけ、ピロリ菌が作り出す毒素によって胃粘膜が炎症を起こしていきます。これが胃潰瘍の始まりで、ストレスが加わると胃の粘膜を保護する作用がある粘液が出にくくなり、炎症が進んでいきます。
ピロリ菌の感染者は日本人には特に多く、50歳以降では80%が感染しているといいます。
ピロリ菌は抗生物質によって除去することができるものの、一度の使用で完全に除去できずに、少しでも残っていると抗生物質が効かない耐性菌になってしまいます。こうなると治療法がなくなるわけですが、食品の中に一つだけピロリ菌を退治できるものがあります。それはマヌカハニーというニュージーランド産の蜂蜜です。通常の蜂蜜に比べると10倍ほどの価格で、抗菌力が強いものほど高価格になっていますが、ピロリ菌を退治できるだけでなく、口腔内の菌にも効果があり、さらに腸内細菌の悪玉菌を抑える働きもあります。
腸内細菌には悪玉菌だけでなく、善玉菌も棲息しているわけですが、普通に考えると善玉菌も悪玉菌も減りそうな感じがします。両方の腸内細菌が減ると、その後には悪環境でも増殖できる悪玉菌が一気に増えるのが通常の出来事です。ところが、マヌカハニーを食べたときには悪玉菌が減るのに対して、善玉菌は逆に増えるという結果になっています。
日本人はピロリ菌の感染率が高く、年齢を重ねるほど感染率が高くなっているだけに、マヌカハニーという切り札があるのは心強いことです。