広告と広報の違い

広報の重要性を訴えると、広告と勘違いされて初めから拒否されることがあります。広告と広報の根本的な違いが理解されていないからですが、多くの方々に知ってもらうための活動である“広報”は英語では「Public Relations」と記されます。

「Public Relations」は世界で通じる用語ですが、これを略したPRとなると違った意味合いで捉えられることもあります。それはPRと広告が混同されている場面が増えているからです。

「Public Relations」は、団体と、その団体を取り巻く人との望ましい関係を作り出す行動が原点となっています。この場合の団体は企業、官公庁などのほかに、公益活動に取り組む法人も含まれています。活動を知ってもらい、関心のある人に注目してもらうことが役目で、そのためには費用もかかります。

“広告”は英語では「advertisement」と記されます。広告費をかけて知らせる行動であるので、広告費の多寡が結果や収益に関わることになります。

できるだけ費用をかけずに広報を有効に進めるためには、同じ目的をもって集まった方々が、それぞれの広報力を結集させることが重要で、業界団体などは、これを担っています。

広告は全体のパイ(収益)を分け合う活動とも言えますが、少ないパイを分け合う、パイを奪い合うという発想から、パイを増やす、パイを拡げるという発想への転換が広報です。

パイを奪うことに気を取られるのではなく、パイを増やす工夫と努力をしなければ、シェアを拡大させたとしても、実際に手にすることができるパイが少なくなっていたことに、後になって気づくことにもなりかねないのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕