健康デザイン50 健康づくりのパーツの意味

健康デザインでは、健康を維持するために食事と運動の中から適したものを選択して、組み合わせることを基本としています。これに休養(入浴、睡眠など)を加えていますが、運動も有酸素運動と無酸素運動では目的も効果も違っているので、2種類の運動が必要な人もいます。

運動のパーツが決まったら、有酸素運動に必要な栄養素、無酸素運動に必要な栄養素を示します。有酸素運動だけでよい人と無酸素運動も組み合わせたほうがよい人がいるので、摂るべきものも違ってくるのは当然のことです。

前回は糖尿病を例にして糖質と脂質の両方の摂取が血糖値に影響することを紹介しましたが、今回も糖尿病を例にして組み合わせの必要性について説明をしていきます。その組み合わせるものは食事と運動です。

糖尿病と診断されると、初めに指示されるのは食事療法で、糖質だけでなく脂質もたんぱく質も摂取量を調整して、全体的なエネルギー源の摂取量を減らすことが指示されます。この方法だけで血糖値が充分に下がらない場合には、食事療法も続けながら運動療法が実施されます。

血糖値を下げるのならブドウ糖が主に代謝される無酸素運動でもよいことになりますが、糖尿病はエネルギー摂取が全体的に多いことが原因であることから、脂肪酸を主に代謝する有酸素運動も必要になってきます。

それでも血糖値が下がらない場合に、初めて医薬品(血糖降下剤)が使われるのが原則で、それは糖尿病治療のガイドラインにも書かれていることです。ところが、食事療法も運動療法も指導することなく、いきなり医薬品を処方する医師も少なくありません。

このことからわかるのは、糖尿病に限らず、さまざまな健康づくりには食事も運動も必要で、その組み合わせによって他に実施すべきことが明らかになってくるということです。
〔健康ジャーナリスト/日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕