睡眠をとっているときには、基本的に身体を動かしていないので、使われるエネルギーは基礎代謝が主になります。1日に必要なエネルギー量のうち生命維持に使われるのが基礎代謝で、全体の70%ほどを占めています。身体を動かす活動代謝が約20%、食後に使われる食事誘発性熱産生が約10%で、寝ているときにも多くのエネルギーが使われています。
最も大きなエネルギー源は脂肪ですが、身体を動かしていないので脂肪の分解も代謝も起こりにくく、その代わりをしているのは糖質です。しかし、糖質だけでは7時間ほどの睡眠時間のうちに不足するので、たんぱく質を分解してエネルギー源としています。
その多くは身体を構成するものであるので、起床して体重が大きく低下しているとしたら、それは身体のたんぱく質が減っていることになります。重要なたんぱく質を減らさないために、朝食ではたんぱく質を多くとって補充しておくことが大切だということが主張されています。
たんぱく質を減らさないようにするためには、他のエネルギー源として糖質を摂ることをすすめる専門家もいます。しかし、糖質を多く摂ってから就寝すると、糖質は余分なエネルギー源として肝臓で脂肪酸に合成され、脂肪酸が結合して中性脂肪となり、脂肪細胞の中に蓄えられていきます。これは健康維持に必要な仕組みではあるものの、糖質を多く摂りすぎると太ってしまう原因となります。
これを解消する仕組みが身体には備わっています。コルチゾールという副腎皮質から分泌されるホルモンはストレスを受けると分泌が増えます。コルチゾールには脂肪を分解する作用もあり、寝ている間にコルチゾールが多く分泌されることによって、身体を動かしたのと同じように脂肪を分解して、エネルギー代謝を進めてくれます。
コルチゾールが多く分泌されるのは就寝中の2〜4時の間ですが、分泌のためには条件があります。それは2〜4時に熟睡していることです。ぐっすりと眠っていることが体脂肪を分解して、太りにくくするために重要になるということです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)