発達栄養137 発育のための栄養・食生活支援ガイド

子どもの発育には栄養摂取が重要であり、その意味を知って、的確に食事として提供することが大切です。しかし、社会経済状況やライフスタイルが変化する中で、子育てを家族にだけ委ねるのは、子育てそのものが大きな困難に直面すると考えられています。

子どもの健全な発育を目指して、「幼児期の健やかな発育のための栄養・食生活支援ガイド」が令和4年に発表されていますが、その基本となったのは平成16年に発表された「楽しく食べる子どもに〜食からはじまる健やかガイド」です。

このガイドでは、幼児期は食への興味や関心が持てるように、食べる意欲を大切にして、食の体験を広げていく時期とされていて、幼児期に育てたい“食べる力”として、次の5つが示されています。

1 おなかがすくリズムが持てる
2 食べたいもの、好きなものが増える
3 家族や仲間と一緒に食べる楽しさを味わう
4 栽培、収穫、調理を通して、食べ物に触れはじめる
5 食べ物や身体のことを話題にする

ところが、離乳後の幼児期の栄養・食生活については、科学的根拠に基づいて具体的な支援の方法を示したものはなく、幼児期の心身の発育・発達や基本的な生活習慣の形成などの特徴を踏まえて、適切な栄養摂取や食生活の支援について明示することが求められてきました。

令和元年には成育基本法が施行され、令和3年には成育医療等基本方針が閣議決定されました。これによって乳幼児期を含む子どもの健やかな成長のために保育所、幼稚園などと家庭や地域などが連携した食育の推進がすすめられてきました。

次回から、「幼児期の健やかな発育のための栄養・食生活支援ガイド」を参考として、具体的な内容を紹介していくことにします。