サプリメント相互作用5 医師が健康食品を禁止する理由

疾病になって医薬品を使う状態になると、医師から健康食品を使うことを禁止されることがあります。それは健康食品・サプリメントに使われている成分が医薬品の成分と合わさることによって健康面の被害が現れる相互作用が起こることがあるからです。

相互作用だけでなく、そもそも健康食品などに不安を抱いている医師も少なくありません。

医薬品は1錠に使われるのは1種類の成分だけで、その内容も分量も厳格に管理されているのに対して、健康食品には複数の成分が使われています。

成分は原材料名として表示義務はあるものの、含有量(重量)が多い順に表示されるだけです。主な成分について分量は書かれていても、分量は明らかにはされていません。特徴的な成分については成分量が書かれていることはあっても、すべてというのは珍しいことです。

すべての成分が表示されている保証がないだけでなく、表示されていない成分が含まれている可能性もあります。書かれている成分が実際には含まれていないということがないわけではありませんが、そのことが健康に被害を与えることは考えられません。

ところが、含まれている成分が書かれていないと、どんな危険なものが含まれているか判断ができません。このことが最も大きな問題だと考える医師が多いのです。

医薬品の成分が健康食品の成分と組み合わされると医薬品の効果が弱まることや、逆に効果が強まって危険なことが起こることがあり、これは相互作用と呼ばれています。通常の食品とでも相互作用が起こることがあり、その例としてはワーファリンとビタミンKが含まれる納豆などの食品があります。

健康食品は成分が濃縮・凝縮されているものが多く、それだけ相互作用が強く起こる可能性があります。

詳細な相互作用については、徐々に紹介していくことにしますが、一般に言われていること、医師や薬剤師などが知っていて患者に対して注意される相互作用だけでなく、そのことを知らないと危険なことが起こりかねないのが相互作用の恐ろしいところです。

すべてを知っているわけではないことから、すべての健康食品を禁止するということがあるのです。
〔サプリメントデザイン推進機構 小林正人〕