健康食品・サプリメントの成分と医薬品の相互作用については、特定保健用食品と機能性表示食品は確認して報告することが定められていますが、複数の成分が使われている場合には相互作用の試験も多くなり、研究は充分ではないと考えられています。
また、特定保健用食品も機能性表示食品も、サプリメントの成分同士の相互作用も確認が求められているものの、すべての成分での確認は難しく、それが健康被害の発生を不安視させる要因になっています。
医薬品は病気の治療に使われるものであるので、試験対象は病気の人となっています。これに対して、サプリメントは疾病に罹患している人や検査数値が高い人(高血圧、血糖値、中性脂肪値など)のほかに未成年者、妊産婦、授乳婦も試験の対象とはされていません。
そもそも医薬品を使う人がサプリメントの試験対象になっていないのに、医薬品と一緒に使っても安全なサプリメントは存在しているのかという疑問を医療関係者は当然のように抱いています。
安全性が確認されているサプリメントがあったとしても、同じ成分の名称であれば同じ効果があるということへの疑問も抱かれています。機能性表示食品は、販売する製品を用いた試験だけでなく、研究論文を科学的な根拠として使うことが認められています。
同じ名称の成分が同じ分量だけ使われていれば、同じ効果があるということを前提としているわけですが、先に紹介したように、サプリメントの成分は同じ名称の成分であっても内容が大きく異なるだけに、同じ効果があるとして機能性を認めるのは納得ができないという考えがあることも当然のことです。
製品を使った試験がされた機能性表示食品は「〜が確認されています」と表示されているのに対して、研究論文だけを裏付けとして届出された機能性表示食品は「〜と報告されています」と表示されています。
〔サプリメントデザイン推進機構 小林正人〕