なぜ非天然型のα‐リポ酸が使われているのか

α‐リポ酸はダイエット用サプリメントとして有名な素材で、糖質のブドウ糖をアセチルCoAにして、全身の細胞のミトコンドリアに取り込む働きがあります。この仕組みはブドウ糖をエネルギーとして使うために身体に備わっているもので、そのためα‐リポ酸は体内で合成されています。このα‐リポ酸はR体というもので、体内ではR体しか使われません。なぜ、このようなことを書いたのかというと、α‐リポ酸は体内で合成されるだけでなく、サプリメントの成分としても摂ることができるようになっているからです。
サプリメント素材に使われているのはR体のα‐リポ酸だけではありません。α‐リポ酸には天然型のR体の他に非天然型(人工型)のS体があります。R体は胃液で分解されて、吸収されたとしても体内で作用しなくなるので、分解されにくくするためにR体とS体を1対1の割合で組み合わせたものが使われています。組み合わせても分解されないわけではなく、分解されにくくなるだけですが、分解されずに吸収されたものであっても、その半分は体内では使われない無駄なものを摂っていることになります。
それだけでなく、S体のα‐リポ酸は動物の場合、体内で有害となることが知られています。人間の場合は、どうなのかというと、動物で危険性がわかっているものを人間で実験が行われることはないので、どのようなことが起こるのかはわかっていないというのが実態です。
天然型のα‐リポ酸だけを摂る方法はないのかというと、シクロデキストリン(環状オリゴ糖)を用いた包接型は、シクロデキストリンによって胃液から守られたまま小腸から吸収されます。天然型のα‐リポ酸を摂ることができるのは、この包接型だけです。
包接型のサプリメントは、「包接」というキーワードで検索すればわかります。ナショナルブランドでは、DHCが採用しています。
α‐リポ酸とシクロデキストリンについては、このサイトの「サプリメント事典」を、ご覧ください。