健診の中には、特定健康診査という法定健診とは別に、広く国民を対象とした健康診査があります。特定健康診査は特定健診と略して呼ばれることがあります。
生活習慣病の予防のために、40〜74歳のすべての被保険者、被扶養者を対象に、メタボリックシンドロームに着目した健診(問診、身体測定、血圧測定、血液検査、尿検査など)が行われます。
メタボリックシンドロームの該当者と予備群を減少させるための特定保健指導を必要とする人を抽出するために行われています。これはメタボ健診と呼ばれることもあります。
メタボリックシンドロームは、内臓脂肪の蓄積によって、インスリンの働きが低下するインスリン抵抗性が起こり、糖代謝異常、脂質代謝異常、高血圧などの動脈硬化の危険因子が高まる状態をいいます。
メタボリックシンドローム(metabolic syndrome)は日本では内臓脂肪症候群と訳されています。メタボリックは代謝を意味するメタボリズム(metabolism)が由来で、代謝低下症候群が正式な訳として使われることもあります。
内臓脂肪が蓄積されると、脂肪細胞から生理活性物質のアディポサイトカインは異常に分泌されます。アディポ(adipo)は脂肪、サイトカイン(cytokine)は生理活性物質を意味します。アディポサイトカインによって血圧の上昇やインスリン抵抗性を引き起こすため、動脈硬化のリスクが高まります。
腹囲(へその高さでのウエスト周囲径)が男性では85cm以上、女性では90cm以上であることに加えて、血糖値、血圧、中性脂肪値、HDLコレステロール値のうち2項目以上が該当する場合に診断されます。
また、喫煙している場合には、1項目が該当することでも診断されます。それだけ喫煙は血管にダメージを与えるということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕