「三つ子の魂百まで」というのは、持って生まれた性格は生涯変わらない、幼いときに得た性格は年老いても変わらない、という意味だというのは辞書的な解釈です。
三つ子というのは多生児(同時に三人が誕生)のことではなくて、三歳児のことです。百のほうは百歳のことで、実際に百歳までの長寿は、そうそういない時代に誕生した諺(ことわざ)なので、それくらい長い間という意味で使われてきました。
100歳を超えている方は、老人福祉法が制定された昭和38年(1963年)には153人だったところから、どんどん増え続けて平成10年(1998年)に1万人を超えました。それが今では4万7107人(令和5年)にもなっています。
その1万人を超えたときのデータを持って、アメリカで日本人の体質について講演をさせてもらったときに、「どうして日本には100歳以上が1万人しかいないのか」との質問を受けました。
当時のアメリカの100歳以上人口は6万人を超えていて、人口は日本の2.2倍だったので、少なくとも3万人はいないと世界一の長寿国といえないのではないか、というような質問内容でした。
現在のアメリカは日本の人口の2.6倍で、100歳以上人口は9万8000人ほどです。日本の人口は平成20年(2008年)に1億2808万人とピークに達して、それ以降は減少傾向にあって、今(2023年)は1億2242万人ほどになりました。
これで比較すると、まだ日本の100歳以上人口は決して多いとは言えないことになります。これは、もっと増えることを想定して書いているのですが。
現在の日本の65歳以上の高齢者人口は3623万人(令和5年)で、高齢化率は30%に極めて近づいています。高齢化は身体の虚弱化でもあり、精神面での衰えもあります。
2025年には高齢者のうち5人に1人が認知症と推測されていて、その年が目前に迫ってきている中、もっと増える時代になったときに「三つ子の魂が百まで変わらない」という状態でいられるのは、どれくらいの割合になるのか、それは重要な検討課題となっているのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕