健康リテラシー19 臨床栄養での恩人との研究6

日本メディカルダイエット支援機構が、健康づくりを考える人の食事内容を把握するために使用している「食生活チェック表」は板倉弘重先生(医学博士)の監修によって開発したものです。食生活チェック表は、1週間に食べたものの回数をチェックするだけで、栄養バランスのための改善点がわかるという画期的なものです。

従来の食生活の調査は、1週間のメニュー(食品の種類と分量、調理法など)をすべて書き出して、摂取する栄養素の量を把握するもので、提出する人にとっても、この結果から栄養計算をして指導をする人にとっても大変な労力が必要でした。

監修をいただいた板倉先生は、開発をお願いした当時は日本臨床栄養学会の理事長で、日本臨床栄養協会と合同で研究活動を行っていました。日本臨床栄養学会は臨床医による栄養の研究組織で、日本臨床栄養協会は臨床医と病院の栄養士による研究・学習組織です。

私が主任研究員と務めていた病院栄養管理の研究所の所長が日本臨床栄養協会の副会長(栄養士ではトップ)で、その関係から日本臨床栄養学会とも付き合いがありました。初めて板倉先生に会ったときには、国立健康・栄養研究所の臨床栄養部長でした。

その当時に板倉先生は赤ワインポリフェノールの研究発表を行い、その成果は研究者の間だけでなく、メディアでも盛んに取り上げられ、赤ワインブームを起こしました。その時期は1997年から1998年にかけてのことで、赤ワインの年間売り上げは2倍に跳ね上がるという、かつてないことが起こり、その後の売り上げが大きく下がることはなく、よい結果となりました。

赤ワインのポリフェノールには強い抗酸化作用があり、活性酸素を消去して動脈硬化の予防に役立つということで、私もテレビ番組などで大いに活用されてもらいました。活性酸素の消去は、全身の健康の基本と認識されています。

板倉先生は日本ポリフェノール学会の創設時の理事長であり、現在も理事長を務められている抗酸化成分の研究者の第一人者です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕