厚生労働省は、「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を発表しました。前回のアルコールの代謝と飲酒による身体等への影響についての続きを紹介します。
②性別の違いによる影響
女性は、一般的に男性と比較して体内の水分量が少なく、分解できるアルコール量も男性に比べて少ないことや、エストロゲン(女性ホルモンの一種)等のはたらきにより、アルコールの影響を受けやすいことが知られています。
このため、女性は男性に比べて少ない量かつ短い期間での飲酒でアルコール関連肝硬変になる場合があるなど、アルコールによる身体への影響が大きく現れる可能性もあります。
③体質の違いによる影響
アルコールを分解する体内の分解酵素の働きの強い・弱いなどが、個人によって大きく異なります。分解酵素のはたらきが弱い場合などには、飲酒により顔が赤くなったり、動悸や吐き気がする状態になることがあります。(これを「フラッシング反応」と言います。)
※分解酵素のはたらきの強弱は、遺伝子によるものと言われています。東アジアでは、この分解酵素が弱く、上記のようなフラッシング反応を起こす方々が一定数存在し、日本では41%程度いると言われています。
このような人が、長年飲酒して、不快にならずに飲酒できるようになった場合でも、アルコールを原因とする口の中のがんや食道がん等のリスクが非常に高くなるといったデータがあるので、注意が必要です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕