メディカルダイエットの資格認定講習では、こんなことをしたら太るということを紹介して、それをやらないようにするためのアドバイスと、生理学的な反応を上手に利用して効果的に体脂肪を減らす方法を紹介しています。人間の身体は、重要なエネルギー源である脂肪を、できるだけ蓄積するようにできているので、それに逆らうようなことをしないと、やせないようになっています。その仕組みを充分に把握しているので、「太らせてほしい」というオファーがあったときにも、簡単に答えることができます。
ただ太ればよい、体脂肪が増えて、筋肉が減ってもよいということなら、こんなに簡単なことはないのですが、太りたい人の多くは筋肉の量を減らさずに体脂肪を増やしたいということを言われます。中には筋肉の量を増やして体脂肪も増やしたいというオファーもあります。普通に考えると難しいことに思えます。筋肉を増やすと代謝が高まり、脂肪の燃焼量が増えて、どうしても体脂肪が減っていくからです。適度な量の筋肉をつけて、それを超える脂肪合成を進めるようにしなければならないわけですが、それができるのは太るメカニズムを知っているからです。
脂質のエネルギー量は1g当たり約9kcalで、糖質の約4kcalに比べて2倍以上になっています。アルコールは約7kcalで、飲みすぎればエネルギー過剰となり、太る原因となります。といっても100%アルコールの話で、25%の度数なら4分の1のエネルギー量となります。
肝臓には糖質、脂質、たんぱく質を材料にして脂肪を合成する働きがあります。その脂肪合成はアルコールによって促進されやすく、飲酒によって合成される脂肪の量が増えていきます。筋肉を増やすために動物性たんぱく質が豊富に含まれる肉類を食べて、そのときに適度な量の飲酒をすると蓄積される脂肪の量を増やすことができます。肉類を食べれば、それで筋肉が増えるわけではなく、筋肉運動をすることで男性ホルモンの分泌量が増えます。また、熟睡することで、さらに分泌量が増えるので休息も重要になります。
筋肉運動をするときに使われるサプリメント素材のL‐カルニチンは、脂肪の燃焼を進める成分として知られていますが、同時に筋肉を増やす作用もあり、筋肉を増やしながらの体脂肪減少というメディカルダイエットを成功させるためには、L‐カルニチンは有効な素材となっています。L‐カルニチンは水溶性のために、いつ摂っても吸収されやすい性質があります。L‐カルニチンは肉類に含まれている成分で、動物性たんぱく質と一緒に摂ると吸収率が高まることが知られています。運動をして動物性たんぱく質を多めに摂って、L‐カルニチンも摂って、その後に熟睡するという方法がすすめられています。