血圧は測定をしたときに正常値であれば、それで安心できるわけではありません。普段の血圧は正常であっても、医師や看護師の前では血圧が高くなる白衣高血圧があります。
これは白衣を着た医師や看護師の前で測定すると血圧が上がりやすい状態のことで、緊張感や普段と違う行動(早起きをして医療機関に行ったなど)によって高血圧になる場合を指しています。そのため、白衣症候群と呼ばれる場合もあります。
診察室で測定した血圧が、収縮期で140mmHg以上または拡張期で90mmHg以上の患者では15〜30%が白衣高血圧に該当するとされていて、特に高齢の女性に多い傾向があります。
家庭で測定したときには正常域であったとしても、医師などの前だけでなく、仕事先や通勤途中などの外出しているときに高くなっていることもあるため、家庭での血圧測定に5~10mmHgをプラスした状態と考えたほうが安全ということで、低めの数値を目標としているわけです。
逆に、医療機関などで測定したときには正常な血圧が出るものの、普段の生活では高血圧になっている逆白衣高血圧(仮面高血圧)もあります。
通常では血圧は夜中の2~3時くらいまで下がり、そこから朝に向かって徐々に上がっていくものです。朝の血圧が特異的に高くなる早朝高血圧もあります。この血圧の上昇度合いが大きい場合には、朝10時までに心筋梗塞などが多発しやすいといわれています。
早朝高血圧と並んで危険なものに、夜間になっても血圧が下がらない夜間非降下型があります。普通は降下する夜間に血圧が下がらない、このタイプでは心血管病のリスクが高く、睡眠時無呼吸症候群によく見られます。こういった状態の人は、睡眠時に頻繁に呼吸が止まるために、常に交感神経の緊張が続き、血圧が下がりにくくなっているわけです。
〔サプリメントデザイン推進機構 小林正人〕