サプリメント相互作用10 血圧編:身長を超える高血圧の勢い

血管と血圧は、水道ホースと手の握り具合にたとえられます。軽く握っているときには適度な水流が保たれていても、強く握り締めると勢いよく流れるようになります。軽く握った状態が拡張期血圧、強く握った状態が収縮期血圧に相当します。

血圧が高い状態は、より強くホースを握った状態と同じで、高血圧の人は血管に強い圧力がかかっています。血圧の測定は今ではデジタル式が一般的で、数字で表されることから血管にかかる圧力は想像しにくいところがあります。

以前に使われていた水銀柱血圧計は、血圧が高くなるほど水銀が押し上げられることから、その差から圧力を推測することができました。しかし、これは血圧を的確に示すものではありません。

水銀の比重は13.6で、水の13.6倍の重さがあります。血液の比重は男性が1.052〜1.060、女性が1.049〜1.056であるので、ほぼ水と同じ比重だと考えることができます。

「mmHg」は水銀(Hg)の高さを示しています。収縮期血圧が130mmHg未満の正常血圧であっても、「130mm×13.6=1768mm」となり、身長を超えるような高さまで噴き上げる圧力が血管壁にかかっています。

これが140mmHg以上の高血圧となると、血管にかかる圧力は190cmを超える高さまで噴き上げる圧力となります。

心臓の拍動回数は1分間に70回ほどなので、1日では約10万回の拍動があります。高血圧では1秒弱の間に、身長を大きく超える圧力が血管壁にかかり続けていることになるので、高血圧は血管を傷める原因になっているのです。
〔サプリメントデザイン推進機構 小林正人〕