サプリメント相互作用13 血圧編:高血圧と肥満の関係

生活習慣病のうち、やせることが医師や栄養士などによって指導されるものというと、肥満症、糖尿病、脂質異常症、肝臓病などと並んで、高血圧があげられます。血圧は心臓から送り出された血液が動脈の壁に与える圧力のことで、必要以上に圧力がかかっている場合が高血圧です。

太っている人は脂肪細胞の中に体脂肪が多く蓄積された状態で、多くなりすぎた体脂肪によって脂肪細胞が膨らんでいきます。脂肪細胞に蓄積された中性脂肪は、体脂肪と呼ばれます。

この体脂肪のうち内臓の周りに蓄積されているものが内臓脂肪で、皮膚の奥についているものが皮下脂肪です。血圧に大きな影響を与えているのは、内臓脂肪のほうです。

血管の周囲にある脂肪細胞が膨らむと、その脂肪細胞によって血管が圧迫され、血液が送り出されたときに弾力をもって膨らみにくくなります。そのために血液による圧力が血管に強くかかるようになり、高血圧となります。

水道のホースを握ると圧力が高まって勢いよく噴出するようになりますが、それと同じようなことが血管内で起こっているわけです。

高血圧になると塩分を減らすように指示されることから、高血圧は塩分(ナトリウム)の摂りすぎが原因といわれます。しかし、原因はそればかりではなく、さまざまな原因があげられています。食塩を減らしても血圧に変化がなかった人が、内臓脂肪を減らすことによって高血圧域から境界域に、さらに正常域へと血圧が下がったという例も少なくありません。

血圧が高めであることが指摘されたら、太っている人の場合には、まずは内臓脂肪を減らすことを心がけることが大切になります。

内臓脂肪が多く蓄積されると、脂肪細胞からアンジオテンシノーゲンという血圧を上昇させるアンジオテンシンⅡのもとの物質が盛んに放出されます。

また、アンジオテンシンⅡはインスリンの作用を抑制したり、膵臓を障害してインスリン分泌を低下させる作用があるため、肥満によって糖尿病が発症しやすくなります。
〔サプリメントデザイン推進機構 小林正人〕