治検31 尿検査

〔尿検査〕
尿検査は尿に含まれる成分によって診断する検査法です。尿は血液中の不要物や有害物、老廃物を体外に排出するために腎臓で濾過されることから、体内の状態を診断することができます。
尿糖、尿蛋白、尿ウロビリノーゲン、尿潜血反応、尿沈渣、尿比重などの検査項目があります。また、妊娠の検査にも使われます。

〔尿糖〕
尿糖は血液中のブドウ糖糖が尿中に排泄されたものです。血液中のブドウ糖は腎臓で血液から濾過される過程で再吸収されますが、異常に増加して限界を超えると尿糖が検出されます。
正常範囲は100mg/dl以下ですが、一般には血糖値が160〜180mg/dlを超えると尿糖が検出されます。そのため、尿糖だけで糖尿病の判定をするのは避けるべきです。

〔尿酸〕
体内で産生される活動のために必要なエネルギーの代謝物質(燃えカス)が尿酸で、古い核酸の分解、エネルギー代謝によって生成されます。
尿酸は食物中に含まれるプリン体からも作られます。プリン体は食物全般に含まれる成分で、細胞の核に存在する核酸の主成分です。内臓肉、干物、ビールなどに多く含まれます。
尿酸は肝臓で生成され、一時的に体内に溜め込まれた後に尿や便とともに排泄されます。
尿酸値の基準範囲は2.1〜7.0mg/dlが基準値で、これを超えると高尿酸血症となり、9.0mg/dlを超えると関節内に尿酸が溜まり、痛風発作の危険が高まります。

〔尿蛋白〕
尿蛋白は尿に含まれる蛋白のことで、正常な状態でも1日に40〜120mgの蛋白が尿とともに排出されています。1日に150mg以上となると異常と判断されます。
運動や発熱によっても増加しますが、腎臓障害(腎炎、ネフローゼなど)、尿路疾患(尿路感染症、結石、腫瘍)、妊娠中毒症によって増加します。
肥満症、高血圧症、糖尿病などの生活習慣病が原因でも増えます。糖尿病の合併症の腎症でも増えるため、合併症の診断にも使われます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕