健康リテラシー23 運動科学での恩人との研究2

ウォーキングとランニングは歩くか走るかの違いであって、身体の使い方は同じという認識がある一方で、身体の負荷は異なり、元気に歩くことができる人が全員、走ることができるのかというと、そうではないことから別のものとの考えもあります。

運動科学を研究する人の多くは別物との考えをしていたのですが、ウォーキングとランニングを、それぞれの延長と考えて指導するジョグ・ウォークに巡り合って、両方の研究が重要であることに気づかせてくれたのは宇佐美彰朗先生です。

宇佐美先生は東海大学の名誉教授で、知り合ったときには公益財団法人日本健康スポーツ連盟の理事を務めていました。その理事の席に私も加えてもらい、運動と食事のタイミングによってエネルギー代謝を変化させるメディカルダイエットの研究にも協力をしてもらいました。

宇佐美先生は、オリンピック3大会(メキシコ、ミュンヘン、モントリオール)で連続してマラソン代表となったランニングの専門家で、大学でランニングの研究を続けながら、超高齢社会を見据えたウォーキングの研究も重ねて行っていました。

ジョグ・ウォークは、走るように歩く、歩くように走ることを目指したもので、歩くときには足から歩き出すのではなく、立位から前傾していって前に倒れる寸前に片足を前に出して身体を支える姿勢の重要性を伝えていました。

そのときの姿勢が効率的に筋肉を使って前進する方法で、運動エネルギーを無駄なく使うことが強い力を発揮する方法であり、かつ長く筋肉を使い続ける方法となります。この姿勢と筋肉の使い方を覚えるために、上半身に2本の紐を襷掛けして、後ろから引かれながら前進するトレーニング法を教えてもらいました。

このときの経験が、歩く速度を変化させて、エネルギー代謝を高めるツイン・ウォークの研究につながっています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕