血圧を降下させる目的で使われる医薬品には、カルシウム拮抗薬、ARB、ACE阻害薬などがあり、これらには食品やサプリメント成分と相互作用があることが認められています。
カルシウム拮抗薬は、血管を広げて血圧を下げる作用があります。カルシウム拮抗薬を使用しているときには、グレープフルーツジュースの摂取が禁じられています。グレープフルーツジュースに含まれるフラノクマリンにはカルシウム拮抗薬の分解を阻害する作用があり、体内で多く残ることで血圧が下がりすぎることがあります。
カルシウム拮抗薬については、かつてはグレープフルーツジュースで飲んではいけないと言われましたが、今では飲むタイミングではなく、いつグレープフルーツジュースを飲んでも体内で作用が持続することがわかっています。
その作用も3〜4日も続く場合があるとの報告もあるため、カルシウム拮抗薬を使っている場合にはグレープフルーツジュースは飲まないようにします。
グレープフルーツジュース以外の柑橘類にも、フラノクマリンが含まれているものがあります。それは夏みかん、はっさく、ブンタン、ダイダイ、金柑、ライムなどです、また、柑橘類以外でもザクロやイチジクにも含まれています。サプリメントにはザクロが素材として使われたものがあります。
ARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬)とACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)は、血管を収縮させる体内の物質をブロックして血圧を下げる作用があります。
ACE阻害薬には血液中のカリウム濃度を上昇させる作用があり、カリウムの摂りすぎによる高カリウム血症には注意が必要です。高カリウム血症になると、脱力感などの筋肉・神経障害、不整脈などが現れるようになります。
カリウムは血液中のナトリウムを排泄させることから血圧の降下には有効ではあるものの、ACE阻害薬を使う段階ではリスクを高めることになります。
このほか、ノニ、ココア、コンブにもカリウムが多く含まれていることから、ACE阻害薬との相互作用には注意する必要があります。
また、ザクロには血圧を降下させる作用があり、ザクロジュースと降圧剤を併用すると血圧が低下しすぎる可能性があります。
〔サプリメントデザイン推進機構 小林正人〕