日本メディカルダイエット支援機構は、健康科学情報センターと健康ペンクラブの事業を掛け合わせて特定非営利活動法人(NPO法人)として2008年に設立しました。健康科学情報センターは臨床栄養学、生理学、運動科学、薬理学、法学などの研究者によって設立され、東京の虎ノ門に事務所を設けていました。
虎ノ門は霞が関の官庁街と歩いてすぐのところで、霞が関で仕事をさせてもらっていたということもありました。
当時は臨床栄養に基づいた情報発信に力を入れていて、その大家の先生のためのデスクを置いたところ、霞が関の関係団体の会合の場となって、多いときには5団体の会議や作業の場にもなっていました。
無償で提供していたのですが、それでは多く、長く使うときに気づかいしすぎるからと、大家の先生から家賃の一部を提供したいとの申し出があり、月々3万円を出してもらうことになりました。
そのときから使われる回数も、集まる人数も増えて、ほとんど占領されて、元のメンバーが近くのカフェで作業をするようなこともありました。そのことを知った顔見知りの栄養士さんから、「お茶代くらい出るでしょ」と言われました。
その言葉の意味を聞いたら、5団体が先生に使用代を払っていて、それが私のオフィスの家賃の一部になっていると思っていたようです。
続けて、「先生も2万円くらい払っているのか」とも聞かれました。その言葉の意味を聞いたところ、各団体は1万円ずつ払っていて合計5万円で、それに先生がプラスしていると聞いていたようです。
実際には2万円が差し引かれていたわけですが、そのことを知った栄養士さんから出たのが「ああ、やっぱり」という言葉でした。5団体とも先生が立ち上げて、会長も務めていたこともあったのですが、その団体活動の中でも「ああ、やっぱり」と言いたくなるようなことがあったとのことです。
もともと私たちが全額を支払って、利用してもらって、情報交流していきたいという気持ちで始めたことなので問題にすることはなかったのですが、事実だけは各団体の代表に伝えておきました。その後は、使用回数は減ったものの、私たちがオフィスを移すまでは同じ状態が続きました。
これは先生のほうに「偽る脳力」があったということではなかったのですが、そのようなことをしても平気な顔でいられたのは私たちが世話になっている、ひょっとすると人脈を利用しているという気持ちがあったからかもしれません。
私たちも平気な顔をして、そのときから2年間、毎日のように顔を合わせることができたのは、これまでの関係を続けたほうが、お互いのため、お互いが目指している多くの人の健康づくりのためということがあり、徐々に「偽る脳力」を高めていく、よい修行の場になりました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕